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林芙美子著「愉快なる地図 台湾・樺太・パリへ」書影

愉快なる地図 台湾・樺太・パリへ

林芙美子

2022/04/20中央公論新社

    Description

    どこへ行くにも、棺桶の仕度なンかいらないじゃないのと、無鉄砲な旅ばかりしていました――一九三〇年、総督府に招かれた台湾から、『放浪記』の印税をつぎ込んで一人で旅した満洲、シベリア鉄道でのパリ行きなど。肩の張らない三等列車の一人旅を最上とする著者の若き日の紀行を集成。文庫オリジナル

    〈解説〉川本三郎
    (目次より)

    台湾を旅して/台湾風景 フォルモサ縦断記/台湾のスヴニール/基隆水望

    林芙美子さんの満州便り/愉快なる地図 大陸への一人旅ハルビン散歩/秋の杭州と蘇州

    『三等旅行記』序/シベリヤの三等列車/パリーまで晴天/下駄で歩いたパリー/パリーを歩るく/フランスの田舎/パリー案内/ひとり旅の記/屋根裏三昧/マッチと酒に寄せて/三等船室雑話/ナポリ小景/マルセイユより横浜までの勘定書/ソヴェートの冬

    樺太への旅

    北京紀行/北支那の憶い出/北平通信

     *

    『林芙美子選集第七巻』あとがき/『私の紀行』序

    林芙美子

    林芙美子 一九〇三年(明治三十六)、福岡県門司市生まれ。幼少より両親とともに、行商の生活を重ねて九州一円を転々とし、後に広島県尾道市に落ち着く。高等女学校在学中から文才を示し、卒業後上京して多数の作品を発表する。三〇年手塚緑敏と結婚、同年『放浪記』がベストセラーとなる。日中戦争が勃発した三七年以降、女流の従軍作家として活躍した。終戦後、文学的生涯の頂点を迎え、『松葉牡丹』『浮雲』などの秀作を残した。五一年(昭和二十六)没。『泣虫小僧』『牡蠣』『うず潮』『巴里の日記』ほか著作多数。